
Aurorasound HFSA-02 ¥946,000(税込)
音源のすべてを明らかにする系。
高いSNに、端正な表現。ほんの少し、ほんの少しだけ柔らかいかもしれない。
営業の方が試聴機をお持込み下さったので、聴かせていただきました。
Aurorasoundといえば、フォノイコライザーなイメージがあるのは自分だけでしょうか。

これです。
現行はVIDA-MkⅡですが、自分が聞いたのは初代の方だったかもしれません。
どこかの誰かがオーディオにはリアルとマジックの2通りあると言われたそうですが、この製品は完全にマジックでした。ただ、リアルよりもリアルに聴かせるマジック。このフォノイコライザーを通すだけで、あらゆる楽器がすごく生っぽくなったのが衝撃でした。
さて、今回のAurorasoundから発売された、真空管式プリメインアンプ「HFSA-02」。果たして、どんなマジックを聴かせてくれるのか。
組み合わせたスピーカーは、TAD-ME1TX。
一聴して感じるのは高いSN。背景の澄んだ感じは他ではあまり聴かないかもしれません。EL34がそもそもそれほど丸みのある音ではないのかもしれませんが、真空管ぽい暖かさを前面に出した感じではなさそう。
心地よく聞かせようというよりも、音源に忠実な感じで、ボーカルなど非常にリアルです。そのリアルさは、生っぽい暖かさというよりも、そこに人がいるかのような生々しさに近いように思います。

組み合わせたスピーカーはTAD TAD-ME1TX
高いSNから、この音源のこんなところでバックコーラスとハモっていたんだと気づかされたり、音源の細部まで見事に浮き立たせますが、高解像度を見せつけるような感じはまったくなく、シームレスに極めて自然なつながりを持っています。
SNを良くすれば細部まで自然に見えてきますよ、という感じで、音の輪郭はほんのわずかに混ざり合っていて、シームレスな一体感を支えているようにも思います。結構、ぎりぎりのところを狙ってるのかと思われ、ほんの少し、ほんの少しだけ(輪郭が)柔らかいかもしれないというのはそういった点です。そのほんの少しが、精密な描写を自然な再現に変えているように感じます。
表現はやや端正なので、ロックなどはちょっとまともに音が並んでしまって、ミキシングのマジックなんて通用しないようなところがあります。使ったスピーカー(TAD-ME1TX)がそういう点に拍車をかけた面もあるかもしれません。
また、ベースラインの音が小さく、存在感も幾分弱めで、これもTADよりも例えばSonus faberのようなスピーカーならもう少しふくらみがあってよかったかなと思います。
【まとめ】
音源のすべてを明らかにしつつ、解像度感を見せつけるというところがありません。基本はやはり自然な再現を目指しているのでしょう。リアルな再現にほんの少しだけ魔法をかけて、自然に聴かせているといった印象です。
澄んだ背景から録音されたそのままが現れてくるといった感じで、例えばボーカルは生々しい人の声となっており、夢見心地に聴きたいのであればその種のスピーカーにつなげる必要があります。音質の良い音源のリアル感は半端ではなく、アンプに衒いがない分、音源の魅力がストレートに発揮されます。
真空管方式うんぬんではなく、極めて音源忠実度が高いように思われました。そのうえで音が尖ったり、単調になることがなく、常にみずみずしさであったり、わずかに音の溶け合うことによる臨場感をもって音源を再生してくれます。
アンプによる余計な演出はいらない。音源のそのままの姿を聴きたい。けれど無味乾燥とした再現は避けたい、といった場合にお試しいただきたい製品かと思います。


























